そう言った志貴の顔には疲労が浮かんでいて、麻美さんは心配そうに寄り添っている。
志貴は家系に警察関係者が多いらしく、情報を貰ったりする。たまに、不当派な族を潰すことを依頼されたりする。
地位はそれぞれで、色んな情報が来るらしいが、どうやら今回はどうにもならなかったらしい。
「僕も独自に調べます」
「・・・それはいいが、ちゃんと休息をとれよ」
「分かってますよ」
志貴は苦笑して、手にしていた二つの小さめの鞄を俺に渡した。ボストンバックだ。
何が入っているのかと中を見れば、何処か旅行にでも行くような荷物が入っていた。
「これは?」
「凜華ちゃんと龍騎、二人の荷物よ。・・・帰る気、無いと思ったから」
「すみません、麻美さん」
麻美さんは気にしないでと言って、手紙らしき便箋を差し出した。
名前を見ると、少し右上がりな字で凜華の名前だけが、丁寧に書かれていた。

