『・・・凜華っ!!!』
凜華、リンカ、りんか。
『声』が呼び続ける名前は、聞き慣れたものだ。
少女は「あぁ自分の名前だ」と、頭の片隅でぼんやりと思い出した。
・・・──で。
少女はゆっくりと抱えた膝に埋めていた顔を上げながら、必死に唇を動かす。
・・・もう一度。
長い睫毛が震えて、少女の瞳が──綺麗な青い瞳が晒される。
黒く淀んだ世界が、その澄んだ瞳に浄化されているのか、ゆっくりと白い世界に変わる。
・・・私を、呼んで。
緋色の少女は、抱えていた足を伸ばして立ち上がる。白い光の中にある、優しい光を見据える。
まるで、愛しい人を待ちわびていたかのように、細い腕を伸ばした。
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