牙龍 私を助けた不良 上




* * * * *



『凜華、目を覚ませ!!』


・・・ここは、どこ。


『凜華っ!!』


・・・誰を呼んでるの?



緋色の長髪の美しい少女は、黒く淀んだ世界の中で、静かに自分を抱えていた。


何も纏っていない身体は、まるで衣ように、緋色の長髪に包まれている。


少女は双眸を閉じたまま、直接頭の中に聞こえてくる声に、問う。


心地好い声が、必死に誰かに向かって叫んでいるということを、少女はぼんやりと理解した。


自分が誰で、ここが何処で、どうしてここにいるのか、分からないにも関わらず。


聞こえてくる声に、靄が掛かってぼんやりする頭で反応する。