牙龍 私を助けた不良 上




あのままだと、あの男は死ぬ。


急いで二人の元まで行き、凜華の細い片腕を強めに掴んだ。


凜華の手の力が抜け、男がドサリと地面に落ちて、むせながらのたうち回る。


俺はそのまま凜華を見ようとして──咄嗟に凜華から離れた。


俺が居た場所には、凜華の反対の手が、固く握られた拳があった。


それは、真っ赤にそまっていた。


よく見れば、凜華の着ている制服にも真っ赤な色素が着いていた。


・・・全員、凜華が一人で?


信じられなかったが、バラバラだったピースが埋まっていく。


喜んでいいのか分からない真実が、目の前に叩き付けられた。