思わず足が止まりそうになる。
遥か後方にいた仲間達は、気を取り戻した奴等と戦いを再開したらしく、殴る音が聞こえだした。
しかし、それを気にする余裕はなかった──できる訳がない。
さっきまでいた場所より、直に突き刺さる殺気に今度こそ、足が止まった。
・・・やべぇ。
気を抜いたら、あっという間に竦(スク)み上がりそうな気がした。
慎重に辺りを見回すと、あちらこちらに暴牙の面子と思わしき奴等が、死んだように倒れていた。
不審なのは、外よりも人数は多く、強そうな奴等ばかりがいることだ。
明らかに、誰かにやられたのだろう傷が、痛々しく腕や顔につけられている。
しゃがみこんでみると、微かに胸が上下しているから、死んではいないようで安心した。
その瞬間だった。
「ぎゃあぁぁあぁあ!!!!」
ドカッ──・・・
凄まじい男の悲鳴と、何かを思いっきり強打するような音が聞こえだ。

