牙龍 私を助けた不良 上




・・・凜華。


最初は、変な女だなと思った。着飾ることもせず、媚びることもしない。


生意気だし、冷めてるし、あんま笑わないし、殺気は出すし、猫みたいだし・・・掴み所がほとんどない。


ただ、気になったのは。


いつも、何処か寂しそうな光が瞳を漂っていたこと。助けてくれと、叫んでいるような瞳が、やけに胸を掴んだ。



『私にあまり関わるな』



そう言った凜華は、弱々しかった。


何かを抱えてるんだと、すぐに気付いた。助けてやりたくても、聞いたりなんて出来なかった。


だから、言うまで待つと、一人で抱えるなと、俺は言った。


泣きながら、怯える姿は弱々しくて──守ってやりたいと思ったんだ。


だから、好きになったんだ。


隣に居たいと、思ったんだ。


そのまま走って、倉庫の奥に入った時だった。鮮血の臭いが、鼻をついた。