side:凜華
ピチャッ・・ン・・・
水の跳ねる音が聞こえる。重たい瞼を何とか少しだけ開けると、少しだけ何かが見えた。
・・・あれ、動かない。
そこでようやく、自分が拘束されたまま寝かされていることに気が付いた。場所は、柔らかなソファーの上だ。
拘束にロープらしいものを使われている。どこかの、倉庫だと思われる。
鈍い思考の中で、拘束を解こうとして見るが取れない。何かないかと探って見ると。
手に冷たい鉄の感触があった。
・・・形状からして、手錠っぽい。
何故こんな場所にあるのか分からないけれど、使えるかもしれない。なんとかロープと手の間に手錠の一部を差し込む。
狭いスペースで鉄を差し込んだせいで、手首が痛い。手錠とロープが食い込む痛みに耐えながら、何とか動かす。

