牙龍 私を助けた不良 上





「こんなに、簡単に捕まるとはな」



三年の時が流れた。


すでに現役ではない女だが、こうも簡単に捕まるとは思ってもみなかった。


所詮は過去の栄光か、と指で挟んでいた吸いかけのタバコを加える。吸って吐き出すと、白い煙が宙に漂い消える。


すると、部屋のドアがノックされて、一人の女が入って来た。黒髪ショートヘアーに、桜色縁のおしゃれな眼鏡。



「牙龍が動き出したみたいだよ」


「そうか」



男は口角を上げてニヤリと薄気味悪く笑うと、ゆっくりと部屋を出ていった。


部屋に残った女は、ソファーに横たわる女を見てから、部屋にある小さな窓を見る。



「──素敵なショータイムになりそう」



茶目っ気一杯な笑みを浮かべて、短パンの裾をくるくると巻いた。


露になった左の膝より少し上に、三日月とクリスタルの幻想的な刺青が施されていた。