牙龍 私を助けた不良 上




* * * * *


ピチャン・・・。


小さな水溜まりに、天井の鉄骨を伝っていた雫が、重力に身をまかせて落ちていく。


水面が、ゆらゆらと広がる。


薄暗いそこは、使われなくった建設会社の資材置き場の倉庫だったのか、鉄骨やパイプなどが所狭しと積まれている。


そして、そこを占拠している不良たちのバイクがあり、タバコの吸い殻などが落ちている。


そこの少し奥にある、談話室だっただろう小さな部屋がある。


男はそこで、ソファーに横たわり、手足をロープと手錠で拘束されたままの女を見た。


あの頃より、女らしくなった女は美しさに磨きが掛かっていた。女まで、見とれてしまうだろうまでに。