牙龍 私を助けた不良 上




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小さな抵抗の証。


それは、頑固な鉄のような固さで、美しい薔薇の小さなトゲのように脆い。



「・・・良かったの?」


「うん。むしろ奴等に感謝したいくらいの、いいタイミングだよ」


「・・・・・」


「──だてに関東に君臨してるわけじゃないこと、見分けるチャンスだ」



彼女の口調が変わった。人懐こい笑顔のまま、その背後に密かな気迫を潜めている。


ちらりと背後を見やれば、バタバタと彼らが動き出した様子が見えた。


きっと、探しに行くんだと思う。でなきゃ、最強だと言われる男が焦るなんて有り得ない。



「・・・帰る?」


「あぁ、帰るぞ。──もうすぐ、仲間が迎えに来てる」



彼女──姫蝶は、ピアスを揺らしながら静かな校舎裏へ歩いていく。


私達、『the knight』のトップに君臨する姫君の背中は、とても楽しんでいるように見えた。