「中で、か・・・」 女はそれが何か、って感じの顔をしたまま、隣にいる女と顔を見合わせて肩をすくめた。 それから、手にしていたヘッドフォンを俺に渡した。小さいのに、やけに重たく感じた。 「それ、大事なモノなんだね」 「・・・何で?」 「──薔薇の花が持つトゲみたい」 「・・・小さな抵抗の証」 「・・・・・」 「それじゃ、私達はもう行くよ」 意味深な言葉を残して、女達は俺達の前から去っていった。 何故かやけに、その言葉は胸の奥深くまで浸透して、何度も頭の中でリピートされた。