「ひゃっ!?」



いきなりヒョイッと肩に担がれた。ビックリしたままその人物を見てみると、銀色の光が目に入った。


司会の高さと言い、銀色の髪といい・・・。間違いない、コイツは──



「・・・木藤」


「何だ」


「降ろして。逃げるから」


「・・・バカだな、お前」



ククッと可笑しそうに笑う木藤の肩に担がれている私は、何だか情けない。


情けないからと言う理由で、木藤の背中をペシペシと叩いてみる。



「痛くねぇよ」



それどころかクスクスと忍び笑いも聞こえてきて、あまりにも自分が子供に見えてくる。


・・・くっそー、覚えてろ。


教室に連れて行かれながら、心の中でそう思った。