牙龍 私を助けた不良 上




勇人は、少しおどおどしながら側に寄って来た。何か、ウサギみたいだと思いながら黙ってその様子を見る。


手を伸ばせば触れるか触れないかの、微妙な距離。



「龍騎達が探してる」


「・・・そうか。悪い、探させて」



ワンピースの裾が引っ掛からないようにしながら、高台から降りる。すると。



「行くぞ」



くるりと背を向けて歩き出す。手を伸ばしても、届かない距離。


その後を追うように、ゆっくり付いていく。ちらちらと後ろを見て、付いて来てるか見てくる。


勇人は優しい。


女嫌いみたいだけど、倒れるくらい重傷みたいだけど、きっと理由があるんだろうな。


聞こうとは思わないけど、もしも勇人がそれを克服したいと思ってるなら、いくらでも聞いてあげたい。


せめてもの、罪滅ぼし。


・・・それくらいは、許してくれるかな。アイツは優しいから。