悪夢を見て、ユラユラ揺れていた心が落ち着く。木藤といると、ヘッドフォンをしなくても平気だし。


・・・不思議な奴だ。


緋色のバイクは、暫くそのまま走り続けて家の近くにあるコンビニで走ることを止めた。


木藤はバイクを止めて降りると、私を降ろした。重くないのかと思いながらメットを渡す。



「ありがと、木藤」



そう言って背を向けて歩き出すと凜華、と木藤が私を呼び止めた。


振り向かずに立ち止まり、何?と返す。



「お前、何を抱えてる」



振り向かない私に木藤はそう言った。・・・抱えてるモノ、ね。