「あっ……」
しばらく海を眺めたあとで、私はソウの腕を掴んだままだったことに気が付いた。
「ごめん! 邪魔だったでしょ」
私が慌てて手を離そうとすると、
「ううん。……いいよ、このままで」
ソウはもう一方の腕を伸ばして、離れようとする私の手を引き止めた。
「風が強いから、ミナさんが吹き飛ばされないように」
そして、私の手をしっかりと握り直しながら言った。
「こうしてるほうが安心なんだけど……イヤ?」
「イヤじゃないけど……」
イヤじゃないけど、
またソウのペースにはまっていくのは不本意だ。
だけどソウは、繋いだ手を私の目の前まで掲げて
「だったらこのままでいいよね」
「……」
「ねっ?」
そんな風に笑顔を添えて念押しされたら、拒めないじゃない……。
暫く私の返事を待っていたソウは、勝手に私の沈黙を「YES」と解釈したようで、
「さあ、行ってみようー」
と、繋いだ手を大きく振りながら元気よく歩き始めた。
しばらく海を眺めたあとで、私はソウの腕を掴んだままだったことに気が付いた。
「ごめん! 邪魔だったでしょ」
私が慌てて手を離そうとすると、
「ううん。……いいよ、このままで」
ソウはもう一方の腕を伸ばして、離れようとする私の手を引き止めた。
「風が強いから、ミナさんが吹き飛ばされないように」
そして、私の手をしっかりと握り直しながら言った。
「こうしてるほうが安心なんだけど……イヤ?」
「イヤじゃないけど……」
イヤじゃないけど、
またソウのペースにはまっていくのは不本意だ。
だけどソウは、繋いだ手を私の目の前まで掲げて
「だったらこのままでいいよね」
「……」
「ねっ?」
そんな風に笑顔を添えて念押しされたら、拒めないじゃない……。
暫く私の返事を待っていたソウは、勝手に私の沈黙を「YES」と解釈したようで、
「さあ、行ってみようー」
と、繋いだ手を大きく振りながら元気よく歩き始めた。



