三度目のキスをしたらサヨナラ

頬に当てた手で隠れているせいでソウの表情はよく分からない。

だけど。

もしかして……泣いてる?

「……あのね、ソウ。聞いて?」

その重苦しい沈黙に耐え切れなくて、何の言葉も準備しないままに口を開くと、ソウは視線を動かさずに「なに?」とだけ答えた。

私は、そんなソウの横顔を見ながら言った。

自分でも何がいいたいのかよく分からなくて、しどろもどろになりながら。

「あのね……私は、ソウが彼女にどんなふうに接してきたのかなんて知らない。だけど……彼女はきっとソウに大事にされすぎて、ソウの良さに気づいてあげられなかったんだと思うの。……だから、ソウは悪くないと思うよ」

そう言い終えると、ソウがゆっくりとこちらを向いた。

ソウは泣いてはいなかった。
ただ、穏やかだけど元気のない、そんな顔をしていた。

ソウは優しい声で
「ありがとう、ミナさん」
とだけ言って、またその視線を外の景色に戻す。


外なんて、真っ暗で何も見えないはずなのに。

──ねえ、彼女を探しているの?

私はそれ以上声をかけることができなかった。


表面にびっしり汗をかいたグラスを手に取り、わずかに残っていた水を飲み干す。

静かにそれをテーブルに戻すと、グラスの中の氷がカランと小さな音を立てた。