「それにしてもあのラーメン屋さんって、面白いよねー」
私の表情が曇ったのを知ってか知らずか、ソウが止まってしまった会話を繋いでくれた。
「昨日初めてお店に入ったんだけど、メニューがなくて困ってさ。店には他にお客さんは誰もいなくて、怖そうな店主……ウーさんだけだし」
暖房がよく効いた店内。
セーターを腕まくりしながら、ソウは話を続けた。
「それで、恐る恐るラーメンと餃子とチャーハンを頼んだら、ラーメンしかないって言われちゃったよ」
「あぁ。ウーさんのお店のメニューはね……」
私はソウに『ラーメン うちだ』の4種類のメニューを教えてあげた。
「なかでもオススメは、酸っぱいキムチ。切ない味がするから一度食べてみて」
「へえー。今度頼んでみよう。辛いんじゃなくて酸っぱいんだね」
「そうよ」
コーヒーを飲みながら楽しそうにメニューを復唱するソウを真正面から眺めていると、
──あれ?
脳裏に浮かんだ蒼太の姿と胸の痛みはどこかに消えていた。
「ところでミナさん。白菜は芯がすき? 葉っぱがすき?」
「なに? 急に……。葉っぱが好きだけど」
「よかった、俺は芯が好きなんだ。芯のあの歯ごたえってよくない?」
そう言ういながらソウはにっこり笑った。
またこの男は、何を言い出すんだか……。
私の表情が曇ったのを知ってか知らずか、ソウが止まってしまった会話を繋いでくれた。
「昨日初めてお店に入ったんだけど、メニューがなくて困ってさ。店には他にお客さんは誰もいなくて、怖そうな店主……ウーさんだけだし」
暖房がよく効いた店内。
セーターを腕まくりしながら、ソウは話を続けた。
「それで、恐る恐るラーメンと餃子とチャーハンを頼んだら、ラーメンしかないって言われちゃったよ」
「あぁ。ウーさんのお店のメニューはね……」
私はソウに『ラーメン うちだ』の4種類のメニューを教えてあげた。
「なかでもオススメは、酸っぱいキムチ。切ない味がするから一度食べてみて」
「へえー。今度頼んでみよう。辛いんじゃなくて酸っぱいんだね」
「そうよ」
コーヒーを飲みながら楽しそうにメニューを復唱するソウを真正面から眺めていると、
──あれ?
脳裏に浮かんだ蒼太の姿と胸の痛みはどこかに消えていた。
「ところでミナさん。白菜は芯がすき? 葉っぱがすき?」
「なに? 急に……。葉っぱが好きだけど」
「よかった、俺は芯が好きなんだ。芯のあの歯ごたえってよくない?」
そう言ういながらソウはにっこり笑った。
またこの男は、何を言い出すんだか……。



