そんな心地よい沈黙を破って口を開いたのはソウの方だった。
「ねえ、ミナさん。さっきのラーメン屋なんだけど」
「ウーさんのお店のこと?」
『ウーさん』ね……と呟きながら、ソウがクスリと笑った。
きっと、ラーメン屋にしてはいかつすぎるウーさんの風貌を思い出して笑っているに違いない。
「あのお店、よく行くの?」
「うん。……少し前までは、もっと頻繁に通ってたんだけど」
「もしかして彼氏との想い出の店だったりする?」
「……そうだよ」
さっきのイタリアンレストランやこのカフェのようにお洒落ではないし、“想い出のお店”なんて甘い言葉は似合わないのかも知れないけれど。
私と蒼太は、週に一度は『ラーメン うちだ』に通っていた。
特にウーさんの奥さんが亡くなってからは、落ち込みの激しいウーさんを心配して毎日のようにお店に足を運び続けた。
一番右端の席は私の指定席で、その隣は蒼太で。
……だけどそれも、1ヶ月前までのこと。
「蒼太もスポーツやってるから、ウーさんとは体育会系同士、気が合ってね」
「そうなんだ。蒼太さんって何のスポーツやってる人?」
「……陸上」
ふいに、大学のグラウンドを走るユニフォーム姿の蒼太が脳裏に浮かんだ。
それはあまりにも鮮明で、私の胸はズキンと痛んだ。
「ねえ、ミナさん。さっきのラーメン屋なんだけど」
「ウーさんのお店のこと?」
『ウーさん』ね……と呟きながら、ソウがクスリと笑った。
きっと、ラーメン屋にしてはいかつすぎるウーさんの風貌を思い出して笑っているに違いない。
「あのお店、よく行くの?」
「うん。……少し前までは、もっと頻繁に通ってたんだけど」
「もしかして彼氏との想い出の店だったりする?」
「……そうだよ」
さっきのイタリアンレストランやこのカフェのようにお洒落ではないし、“想い出のお店”なんて甘い言葉は似合わないのかも知れないけれど。
私と蒼太は、週に一度は『ラーメン うちだ』に通っていた。
特にウーさんの奥さんが亡くなってからは、落ち込みの激しいウーさんを心配して毎日のようにお店に足を運び続けた。
一番右端の席は私の指定席で、その隣は蒼太で。
……だけどそれも、1ヶ月前までのこと。
「蒼太もスポーツやってるから、ウーさんとは体育会系同士、気が合ってね」
「そうなんだ。蒼太さんって何のスポーツやってる人?」
「……陸上」
ふいに、大学のグラウンドを走るユニフォーム姿の蒼太が脳裏に浮かんだ。
それはあまりにも鮮明で、私の胸はズキンと痛んだ。



