三度目のキスをしたらサヨナラ

「え?」

ソウが驚いた顔で私を見た。

「ほら、あの席は暖房の風が直接あたりそうだから、ね。隣にしよう!」

こんなの嘘ってバレバレだ。

自分の顔がかあっと赤くなるのが分かった私は、ソウよりも店員よりも先に、ソウが指差したテーブルの隣席へと早足で歩いた。


──だって、無理だよ。

既に、このお店を選んだ時点で罪悪感を感じているっていうのに。

ソウを追い詰める?

いくら≪ゲーム≫でも、私にはこれ以上意地悪なことなんて出来そうにない……。


「隣じゃなくていいの?」

テーブルにつくと、ダウンジャケットを脱ぎながらソウが言った。

「そんなに気を使ってくれなくてもいいのに」

やっぱり、ソウにもさっきの嘘は見抜かれていたようだ。

「……いいの!」

「優しいんだね、ミナさん」

ソウは相変わらずの優しい笑顔で、隣のテーブルをじっと見つめた。

そして、その視線を私へと移しながら

「でも、その優しさが命取りになっちゃうよ?」

と、不敵な笑みを浮かべた。

私はそんなソウの目をじっと見つめ返して答えた。

「上等じゃない」


だけどそれは精一杯の強がりだった。

私にソウを負かすことなんて出来るんだろうか?


≪ゲーム≫は始まったばかりなのに、私は既に手詰まり状態だった。