三度目のキスをしたらサヨナラ

駅からまっすぐに伸びるメイン通りには、学生をターゲットにした大規模な飲食店やカジュアルなカフェが並び、街を鮮やかに彩っている。

そんな賑やかな表通りから1本道を外れると、人通りはぐっと減り、辺りは静けさと落ち着きを取り戻した。

駅はすぐ目の前だと言うのに、私はほとんどこの辺りを歩いたことがなくて、まるで遠い場所に旅行に来たような不思議な感覚をおぼえた。

ソウが宿泊している小さなビジネスホテルと、カフェが入っている雑居ビルは、そんな一角に並んで建っていた。

「ここだよ、どうぞ」

お店の前までくると、ソウは大きめのドアを引いて私を先に通してくれた。

店内は、清潔感のある白いクロスと木目調の床。
そこに様々なデザインのテーブルとソファがゆったりと配置されていた。

テーブル同士の間隔が広くとらていることや、やや高めの天井が、店内の開放感を最大限に演出している。

そして、お店の真ん中には少し小さめのグランドピアノが置かれていて、会話を邪魔しない適度なボリュームでジャズの自動演奏がなされていた。