そんな話をしながら歩いているうちに、私たちはイタリアンレストランの前まで戻ってきていた。
さっき通ったときには誰もいなかった店先には、カップルや女性同士の客が何組も順番待ちの行列を作っている。
「へえー、ミナさん、見て! ここって人気あるんだね」
「そうみたいね」
「……いつか、行きたいなぁ」
ソウがボソッと呟いた。
「彼女と?」
「はは……無理だけどね、もう」
ソウは苦笑いをすると、大きな体を気持ち縮めて、行列客で狭くなった歩道の隙間を早足で通り過ぎた。
私もその後を追う。
順番を待つ人たちは、寒そうだけど皆どこか楽しそうだった。
「ソウがN大やK大を選んだのは、やっぱり彼女のため?」
「うん。──もちろん希望の学部があったからで、それだけが理由じゃないけど」
彼女のそばにいたかったんだ?
そんなこと、聞かなくても答えは分かっていた。
──蒼太なら、絶対にこんな言葉を口に出したりしない。
逆に「お前が俺について来い」って言うような奴だった。
だから逆に、ソウにここまで言わせてしまう彼女のことが少し羨ましかった。
私はひとつ大きなため息をついた。
「ホントに幸せものだね、彼女は」
「でしょ? 本人にそう言ってやってよ!」
褒めたわけじゃないのに、ソウは得意げな表情を見せた。
さっき通ったときには誰もいなかった店先には、カップルや女性同士の客が何組も順番待ちの行列を作っている。
「へえー、ミナさん、見て! ここって人気あるんだね」
「そうみたいね」
「……いつか、行きたいなぁ」
ソウがボソッと呟いた。
「彼女と?」
「はは……無理だけどね、もう」
ソウは苦笑いをすると、大きな体を気持ち縮めて、行列客で狭くなった歩道の隙間を早足で通り過ぎた。
私もその後を追う。
順番を待つ人たちは、寒そうだけど皆どこか楽しそうだった。
「ソウがN大やK大を選んだのは、やっぱり彼女のため?」
「うん。──もちろん希望の学部があったからで、それだけが理由じゃないけど」
彼女のそばにいたかったんだ?
そんなこと、聞かなくても答えは分かっていた。
──蒼太なら、絶対にこんな言葉を口に出したりしない。
逆に「お前が俺について来い」って言うような奴だった。
だから逆に、ソウにここまで言わせてしまう彼女のことが少し羨ましかった。
私はひとつ大きなため息をついた。
「ホントに幸せものだね、彼女は」
「でしょ? 本人にそう言ってやってよ!」
褒めたわけじゃないのに、ソウは得意げな表情を見せた。



