2人は地元で名の知れたラーメン屋でラーメンを食べながら、お互いの身の上を語り合い、傷ついた心を癒してきます。


……ええ、ええ。
どこかで聞いたことがあると思います、この設定。

そう。まさにこの作品の原点なんです。


そしてその夜、2人は電話番号を交換しただけで別れます。
キスどころか手をつなぐこともないまま、彼は東京へ帰って行くのです。

だけど、それぞれの場所へ戻った2人は、相手のことを忘れることができません。

そして遂に彼女は、彼に会いたいという気持ちを抑えられなくなって、彼に電話をかけるんです。

その電話でお互い同じ気持ちでいることを確かめ合った2人は、新幹線に飛び乗ります。

相手の住む街に向かって──。

そして2人はちょうど中間地点のK駅のホームで再会しました。

この作品の、ミナとソウのように……。



私は今でもその時のことをよく覚えています。

1人の作家さんが、K駅に関するサイトを調べて、掲示板にリンクを張ってくれました。

そして、そんなK駅の写真を見ながら、私たちは「2人はきっとこの場所で再会したんだろうねー」なんて楽しく話しました。


本当に、とても楽しかったんです。


……そして、ついに。

2人が駅のホームで再会して抱き合うシーンで、私はバトンを受け取ってしまいました。