三度目のキスをしたらサヨナラ

あぁ、そうだ。
雨音に遮られて聞こえなかったソウの言葉も、今なら分かる。

あれはきっと、

『まだ《ゲーム》は終わらないんだ』

だったんだ。

ソウがあのキスの前に、とっさにそこまで考えていたなんて。

──そんなこと、思いもしなかった。



「《ゲーム》のルールを決めたとき、期限を決めなくてよかったね」

そうだ。

ソウが帰ってしまえばそれで《ゲーム》もおしまいだと思い込んでいたけれど、
確かに、私たちは三度目のキスで《ゲーム》が終わる、としか決めていなかった。


冷静に考えをまとめる余裕も与えられず、ソウのペースに乗せられて、ソウの話に納得して。

思わず大きく頷いた後で、私はハッと我に返った。

「駄目! やっぱりそんなのズルいよ!」

だけど、ソウは続ける。

「仕方ないじゃん。どうしてもミナさんのことをあきらめたくなかったんだから」

そんなことを、照れもせずに。

「あの雨の日、車の中で、俺は必死で考えてたんだよ」

そして、教え諭すように。

「泣いてるミナさんを見て、思い知らされたんだ。今はミナさんの心の中はソータさんのことでいっぱいで、俺の入る隙なんてないんだって。仕方ないよね、6年も好きだった人なんだから。だから、俺も長期戦でいこうって決めたんだ。絶対大学に合格して東京に戻ってきて、『ゲームの続きをしよう』ってミナさんに会いにいくんだって」


私が蒼太のことを?


それは違う。


あの時私は……
私が考えていたのは……