三度目のキスをしたらサヨナラ

「それと、俺はミナさんに少しでも楽になって欲しかったんだ。その気持ちにも嘘偽りはないよ」

「だからって……」

「だって、あの時普通に口説いても、ミナさんは絶対相手にしてくれなかったでしょ?」


私は黙って頷いた。

頷いたって、電話越しではそんな仕草がソウに伝わるわけもないのに。

だけど、どうしてだろう?
ソウにはそれがしっかり伝わった気がするから不思議だった。


「俺ってなかなかの策士でしょ?」


あぁ、もう。
私は、なんて面倒な人を好きになっちゃったんだろう──。

ソウの明るい声を聞きながら、ほんの少しだけ、私はそんなことを思ってしまった。


「……いい? 次に行くよ? 2回戦はミナさんの負け。これはそのままで、お互い1勝1敗だね」

「うん……」

納得がいかないけれど、私は再びソウの話に耳を傾ける。


「その後の3回目の勝負なんだけど。覚えてる? あの勝負はミナさんの負けじゃなくて、引き分けっていうことになったんだよね?」

三度目のキスの後。

私が負けを認めると、ソウは本名を呼ばせたのはルール違反だから引き分けだ、と念を押して言った。

それは、《ゲーム》に完敗してしまった私に気を遣ってくれるソウなりの優しさだと思っていたのに。


──そうじゃなかったんだ。


「ね? だから、お互い1勝1敗1分けなんだよ。ほら、もう分かるよね? 3回勝負を終えて決着がついてないときは──」


「もしかして……延長戦?」


「大正解!」