【最終日・2月26日】


それから、あっという間に1週間が過ぎた。

ソウと別れた日こそ泣いて暮らした私だけど、
その後は、どんなに夜中に泣いても、夜明け前には疲れ果てて眠ってしまった。

そして必ず、次の日の朝はやってきた。

目が覚めると、悲しくて食欲なんてないはずなのに、無意識に冷蔵庫をのぞいて食べ物を口に運んで。

テレビ番組や多華子の話に相づちを打ったり笑ったり、

時間が来れば鏡に向かって化粧をして、服を選んで、バイトに行って。

お店にやってくるお客さんを笑顔で「いらっしゃいませ」と迎えて……



気がつけば、ソウと出会う前と何も変わらない日常に戻りつつあった。