私が見上げたその先にあったのは、ソウの優しい顔だけ──。
「……ミナさんの傷が癒えますように」
ソウの顔が近づいて、私は自然に目を閉じた。
そして私の唇に、ソウの優しいキスが降ってきた。
一度目よりも、ほんの少しだけ長いキス。
それは、目を閉じた時に零れた最後の涙が、頬を伝って首筋へと消えていくまでの軽くて短いキスだった。
静かに目を開けると、そこにはキスをする前と同じソウの顔があった。
「涙、止まったね」
私はなんだか照れくさくて、顎を引いてソウから視線を逸らすと
「うん」と答えた。
「どう? 少しは楽になれた?」
「……よくわかんない」
私が首をかしげると、ソウは
「えーっ、意味なかったの?」
と笑った。
その笑顔につられて、なぜか私も笑ってしまった。
「でも、もうちょっとだけ……。ソウの胸、貸して」
私が再びソウの胸におでこをつけると、
「いいよ、いくらでもどうぞ」
そう言って、ソウの温かい手が私を包み込んだ。
──二度目のキス。
それは、タバコのほろ苦い香りと、しょっぱい涙の味。
だけどソウに包まれて、ほんの少しだけ笑顔を取り戻せたキスだった。
「……ミナさんの傷が癒えますように」
ソウの顔が近づいて、私は自然に目を閉じた。
そして私の唇に、ソウの優しいキスが降ってきた。
一度目よりも、ほんの少しだけ長いキス。
それは、目を閉じた時に零れた最後の涙が、頬を伝って首筋へと消えていくまでの軽くて短いキスだった。
静かに目を開けると、そこにはキスをする前と同じソウの顔があった。
「涙、止まったね」
私はなんだか照れくさくて、顎を引いてソウから視線を逸らすと
「うん」と答えた。
「どう? 少しは楽になれた?」
「……よくわかんない」
私が首をかしげると、ソウは
「えーっ、意味なかったの?」
と笑った。
その笑顔につられて、なぜか私も笑ってしまった。
「でも、もうちょっとだけ……。ソウの胸、貸して」
私が再びソウの胸におでこをつけると、
「いいよ、いくらでもどうぞ」
そう言って、ソウの温かい手が私を包み込んだ。
──二度目のキス。
それは、タバコのほろ苦い香りと、しょっぱい涙の味。
だけどソウに包まれて、ほんの少しだけ笑顔を取り戻せたキスだった。



