「ミナさん、吸ったことあるの?」
「もちろん」
「……吸わない方がいいと思うけど」
「いいから、ひとつ頂戴!」
ソウは仕方ないなぁと呟きながら、ポケットからタバコの箱を取り出した。
「どうぞ」
ソウがタバコの箱を軽く上下に振ると、箱の中からタバコが1本だけ飛び出した。
タバコの箱を目の前に差し出された私は、無言でそれを手に取る。
……だけど。
私は、タバコの吸い方なんて全く知らなかった。
蒼太も吸わなかったし、今まで人がタバコを吸うのを気にして見たこともない。
だから、これは指でつまむものなのか、挟むものなのかとか、
咥えるだけでいいのか、軽く噛んだほうがいいのかとか、
咥える位置は口の真ん中なのか、端の方なのかとか。
私は目の前の1本のタバコを手に、どうしていいのか分からずにいた。
だけど、ライターを構えて私の次の仕草を待つソウに急かされているような気がして、私は中指と人差し指の間に軽くタバコを挟み、恐る恐るその先端を自分の唇へと近づけた。
私の唇にタバコのフィルターの感触がしたと同時に、ソウが火のついたライターを近づけてくる。
私は風でゆらゆらとゆれる火をじっと見つめながら、タバコに火がつくのをじっと待った。
……。
……だけど。
なかなか火がつかない。
「?」
「はははっ」
それを見ていたソウが、大きな声で笑った。
「ミナさん、やっぱりタバコ吸ったことないんだ」
「もちろん」
「……吸わない方がいいと思うけど」
「いいから、ひとつ頂戴!」
ソウは仕方ないなぁと呟きながら、ポケットからタバコの箱を取り出した。
「どうぞ」
ソウがタバコの箱を軽く上下に振ると、箱の中からタバコが1本だけ飛び出した。
タバコの箱を目の前に差し出された私は、無言でそれを手に取る。
……だけど。
私は、タバコの吸い方なんて全く知らなかった。
蒼太も吸わなかったし、今まで人がタバコを吸うのを気にして見たこともない。
だから、これは指でつまむものなのか、挟むものなのかとか、
咥えるだけでいいのか、軽く噛んだほうがいいのかとか、
咥える位置は口の真ん中なのか、端の方なのかとか。
私は目の前の1本のタバコを手に、どうしていいのか分からずにいた。
だけど、ライターを構えて私の次の仕草を待つソウに急かされているような気がして、私は中指と人差し指の間に軽くタバコを挟み、恐る恐るその先端を自分の唇へと近づけた。
私の唇にタバコのフィルターの感触がしたと同時に、ソウが火のついたライターを近づけてくる。
私は風でゆらゆらとゆれる火をじっと見つめながら、タバコに火がつくのをじっと待った。
……。
……だけど。
なかなか火がつかない。
「?」
「はははっ」
それを見ていたソウが、大きな声で笑った。
「ミナさん、やっぱりタバコ吸ったことないんだ」



