「……ぐっ……」



そんな声が私の耳に届いたのは、ウーさんが冷蔵庫のビールを補充するためにお店の奥に下がった時だった。



「う……うぅ……ぐっ……」


ラーメンをすする音とともに聞こえてくる、うめき声にも笑い声にも似た、男の嗚咽。



そこで、私は初めて彼の存在に気づいた。