そこまで話したところで、目頭がツンと熱くなった。
「私がいけなかったんだよ。そのとき思ったの。これは私が安心しきっていたせいだって。佐和子はなりふり構わず蒼太を振り向かせようと頑張ってたっていうのに」
「そんなことないよ、ミナさんは悪くない」
ソウが身を乗り出して私を見た。
ソウの表情は険しくて、眉間には皺が寄っている。
「それに、ソータさんは、ミナさんに佐和子さんのことをずっと隠してたんでしょ? それってミナさんとは別れたくなかったってことなんじゃないの?」
「……うん……」
「ミナさんだって、今でもソータさんのことを好きなんでしょ? だったらどうしてもう一度奪い返さないの? やっぱり浮気したソータさんのこと、許せないの?」
──ソウったら、質問ばかり。
だけど、ソウが私を質問攻めにすればするほど、私は言葉を失う。
そして、ソウが硬い表情をすればするほど、私は苦笑いをするしかなくなっていく。
「駄目なの。もう、無理なんだよ」
「どうして!?」
だって……
思い出す。
最後に会って別れ話をした1ヶ月前の夜。
私の前で土下座までして、泣きながら「幸せになってくれ」って言った蒼太の姿。
そして。
泣きたいのはこっちなのに、蒼太に先を越されて泣けなかった自分の姿。
「……どうにもならないのよ」
目頭から鼻の奥にかけて、突き刺さるような刺激があった。
ヤバい。
鼻をスンとすすってこの感情をごまかそうとしてみたけれど。
……無理だ。
もう、こんな作り笑いを続けるのも限界だった。
「もうやめよう、この話」
私は涙があふれそうになるのを必死にこらえて笑った。
「ねえ、ソウ。私にもタバコ吸わせて!」
「私がいけなかったんだよ。そのとき思ったの。これは私が安心しきっていたせいだって。佐和子はなりふり構わず蒼太を振り向かせようと頑張ってたっていうのに」
「そんなことないよ、ミナさんは悪くない」
ソウが身を乗り出して私を見た。
ソウの表情は険しくて、眉間には皺が寄っている。
「それに、ソータさんは、ミナさんに佐和子さんのことをずっと隠してたんでしょ? それってミナさんとは別れたくなかったってことなんじゃないの?」
「……うん……」
「ミナさんだって、今でもソータさんのことを好きなんでしょ? だったらどうしてもう一度奪い返さないの? やっぱり浮気したソータさんのこと、許せないの?」
──ソウったら、質問ばかり。
だけど、ソウが私を質問攻めにすればするほど、私は言葉を失う。
そして、ソウが硬い表情をすればするほど、私は苦笑いをするしかなくなっていく。
「駄目なの。もう、無理なんだよ」
「どうして!?」
だって……
思い出す。
最後に会って別れ話をした1ヶ月前の夜。
私の前で土下座までして、泣きながら「幸せになってくれ」って言った蒼太の姿。
そして。
泣きたいのはこっちなのに、蒼太に先を越されて泣けなかった自分の姿。
「……どうにもならないのよ」
目頭から鼻の奥にかけて、突き刺さるような刺激があった。
ヤバい。
鼻をスンとすすってこの感情をごまかそうとしてみたけれど。
……無理だ。
もう、こんな作り笑いを続けるのも限界だった。
「もうやめよう、この話」
私は涙があふれそうになるのを必死にこらえて笑った。
「ねえ、ソウ。私にもタバコ吸わせて!」



