僕は、病院に向かった。

ベンチに着くと、3時

ちょうどになっていた。

数十分待った、でも

由利恵ちゃんは来ない。

ナースステーションに向かった。

そして―――。

奇跡は・・・起きなかった。

彼女は、この2004年の世界には、

いなかった。

僕は泣きながら、最後の日記を書いた。

9月20日 晴れ

今日、君に会えたよ。

ハタチの君はすごく元気だった。

もうすっかり病気も良くなって、

僕らはたくさん話をしたよ。

すごく楽しくて、いつのまにか

日が暮れてて―――。

一粒の涙が、日記に落ちて字がにじんだ。

「うそつき。」

二人は、時を超えて、同じベンチに

座っていた。

よかった。生きてるんだね、私

そう、生きてる。

これから先もずっと。

だから由利恵ちゃん信じて欲しいんだ。

三年後の今日、ここで僕と会えることを。

信じれば必ず会える。

必ず。

そして、日記を閉じた。