時を越えた日記

僕は、ずっとそのベンチに座っていた。

しばらくして、やっと気づいた。

僕には、書くべきことがある。

伝えるべきことが。

拝啓、知坂 由利恵さん

僕が今ここにいるのは、

君のおかげです。

僕は、彼女との事を

小説を書き始めた。

半年後―――。

「やっと見つけたな。書くべき事を。

売り上げも良くてさ、編集長が

第二弾を出さないかって。」

「続きはないよ。この物語は

もう完結してるんだ。僕の中では。」

それでも僕は、今も時々、あのベンチ

に行く。

まだ、心のどこかで、奇跡を信じている

のかもしれない。