5センチ。





「言ったろ、遠慮すんなって。
良いんだって」



「松田が良くても!!
私がダメなんだよ……。
もう、よくわからないけど、松田と一緒にいたら楽しくて、純粋に楽しくて。

遠慮すんなって言ってくれて、すごく嬉しかったし、楽になった」



だけど、だけど!!


優しくされたら、ずっと松田のそばにいたくなっちゃうから。

もし松田がいなくなったら、私は今以上にダメな人間になっちゃうんだって。



私が持っている言葉を全部使っても、言いたいことの半分も言えなかった。


だけど、松田は聞いてくれた。


何も言わずに、最後まで。