「上履き見えてさ、ニツキだってわかったから、
待ってた。
なんかあった?」



あったよ。

声が出なくて少しだけ頷いた。


我慢してた涙が溢れそうになるのを必死で堪えて、フーッと息をはいた。



「でも、大丈夫!
スッキリしたから」



松田みたいに上手くは笑えないけど、ニコッと笑って見せる。



「てか、松田湿布くさいよー。
チャイムもうすぐ鳴っちゃうし。私まだ着替えてないから急がなきゃ」