何でここに松田がいるの? 「どうしたの?」 「いや、オレ突き指しちゃってさ、保健室来たら誰もいないし、なんかすごい叫び声聞こえてきて」 松田はそう言って自分の指を見せた。 湿布が不器用に貼られている。 「うそ、聞いてた?」 叫びすぎて声がかすれてる。 やばい、恥ずかしい。 「いや、口塞いでたんだろ? かすかに叫んでるって感じだったよ」 それより、と松田は私に一歩近づいた。