もう、無意識だった。 無意識のうちに、 ソッ、と着物の中の懐刀に手を伸ばす。 視界の端で 豈多様が立ち上がる。 ゆっくり、ゆっくりバレぬように。 豈多様は襖に近づく。 よし…、 しっかりと片手で懐刀を握る。