「とりあえず、今日はよく寝なよ。」

スクッ、と席から立ち上がって着いた駅に降りる先輩。

そして、先輩は私に向ってヒラヒラと手を振って、背を向けた。

電車の扉は閉まって、電車が動き出す。

先輩の背中が小さくなって、見えなくなった。







………あっ、手を振りかえせば良かった。


今更ながら、そう思う私だった。