………あっ。私は、寝たみたいだ。

電車の中。

とりあえず眠いかな。

………あれっ、私、誰かに倒れてないかな?

「起きた?」

すごい近くから樋口先輩の声が聞こえてくる。

「えっ!!」

バッ、と慌てて横に倒れてる体を起こす。

そして、ちらっ、と横目で樋口先輩を見る。

「…すみませんでした…」

「いいよ、別に。重かったけど」

悪気なさそうに、笑顔を崩さないでそう言う樋口先輩。