「誰、あの二人?すっごいイケメンじゃない?」
「一人知ってる。二年の樋口先輩だよ。かっこいいよね」
「もう一人は?」
「さぁ?でも、年下っぽくない?敬語だし」
「年下?ていうことは、うちらと同じ学年じゃん!ラッキー」
「だよね。学年に一人は、あぁいう男子がいないと!」
私と同学年の一年女子二人の会話が樋口先輩と私から少し離れた場所で、やたら大きな声で話している。
…………。
いわゆる、今の私、思考停止状態。
今、この樋口先輩ていう人と一緒にしゃべってるのは私のみ。
「あぁいう男子」ていうのはきっと、私のことを示してる。
