「まぁまぁ、とりあえず飲もうよ?今日はあたしのアンラッキーデーなんだから。ほら、グイッと、グイッと♪」
「社長、この子の事は放っておいて、お口に合わないと思いますが温くなる前に飲んじゃってください。」
お、乗ってきた。
少し泡が消えてる汗かきのジョッキを、社長にすすめる彼女。
……それ絶対温いよね。
そしてマズそうだよね。
ま、あたしは気にしないけど。
いただきます、と品の良い手つきでジョッキを握ると、社長はその汗かきビールをイッキ飲み。
「おっ、いい飲みップリじない。カッコイイ!」
「さすがですね、社長。」
手を叩くあたしと香里。
あぁ……かなしきかな、接待病。
「いや~、こういうところもたまには良いですね~。」
そう言いながら、さっきの女子大生の店員さんに、ビールを3つ注文していた。

