「って頷くかーっ!!!」
テーブルをドンっと叩くと、運ばれて来たばかりの社長のビールが派手に飛び散る。
「わっ」だか「あっ」だか、香里の声がしたけど、この際無視。
「一緒にって?誰が?誰と?」
「僕と真下さん?」
はぁ。
…………って。
「疑問系で答えてんじゃないわよ!なんであたしがっ!」
アンタとジム通いしなきゃなんないんだ。
全くもって意味がわからんわ。
そんでもって、
「なんで此処に居るの!アンタが来るような所じゃないでしょうが。」
ビャンッ!
あら、ちょっと鼻水出ちゃった☆
「汚いわねぇ。すみません、社長。大丈夫ですか?」
イデデデ
ナフキンを押し付けるんじゃない!
あたしの鼻はデリケートなんだ。
鼻セレブ以外ダメなんだってば。
あたしの鼻はガサガサの紙で、どうして社長のジャケットにはハンカチなんだ。
そっちこそ紙で良いだろうが。
香里のヤツめ。
花粉症のあたしが、あれしか使わないの知ってるくせに。
こんにゃろ、いつか絶対仕返ししてやる。

