「え?ごめん、なに?」
一瞬その髪に見とれていました、なんて言えないけど。
だってサラサラしてて、シルクみたいなんだもん。
「お詫び。」
膝を抱えて丸まったまま言った。
お詫び?
なんかしてくれんの?
いや、いいっスよ。
あたしも悪かったし。
「僕、凄い痛かった。だから。」
再度はらりと揺れるシルクの髪。
今度は綺麗な顔があたしを捉えて。
「は?え?」
何を言ってるんだ、あたしは。
というよりも、何を言ってるんだ、キミは。
「お詫びにキスして。僕、これじゃ使いモノになりません。まだ子供もまだなのに。」
至極真面目な顔で。
いやいやいやいや!!
使いモノになりませんって!
子供もまだって!!
しかもなんでそれと引き換えにあたしのキスなんだ!
釣り合わんだろうがっ。
………あの、いやでもあたしのキスがそんなに下とも思いたくは無いのですがね?

