「……ね……ねぇ。」
「~~~~!」
そんなに痛いもんなの?
「………ごめん。あたしオンナだからそうゆうのわかんないから、力加減出来なくって。」
一段降りて、彼の隣にしゃがむ。
確かに目一杯力込めちゃったしね。
実はちょっと怖かったんだ。
今日会ったばっかだし。
なんて、聞こえてるかどうかわからないけど、小さな声で言い訳をした。
「………。」
やっぱり聞こえてないか。
まぁそれならそれで良いんだけど。
イイ歳してちょっと乙女ぶってもひくっしょ?
「………て?」
はらり。
彼の茶色く透けた髪が、垂れ下がる。

