意味不明に、お姫様だっこをされて搬送されるあたし。
「あああ、あのっ!」
顔が近いよ。
そして密着し過ぎだよ。
マリアさまって見た目に寄らず力持ちなのね。
「下ろしてください!マリアさま~っ!!」
早足で歩いていた足を、ピタッと止めて、その素晴らしい美貌であたしをまじまじと見てくる。
「や、あのっ、だからっ…そのっ………。」
「マリアさま?」
小首を傾げる。
いや、わかってます。
貴方がマリアさまじゃないのも、あたしがまだ天に召して無いことも。
これでも大人ですから。
だからやめてくれ。
その純粋そうな瞳であたしを見るのっ!!!

