俺は気を失った乃愛をお姫様抱っこで保健室に運んだ。



保健医の柏原(カシワバラ)先生は怪我をしたバスケ部部員を看に体育館に行ってしまった。



俺は乃愛のベットのそばにパイプ椅子を置いて付き添う。


ボールの当たった額に小さめのたんこぶが出来ていた。



柏原先生も俺と同じで軽い脳震盪だと診断。



このまま寝かせて様子を看ても大丈夫だと言っていた。



「・・・」


保健室には俺と乃愛の二人だけ。


窓の外のグランドでは運動系の生徒たちの掛け声が聞こえる。