「指輪……」 「これ、社長から零ちゃんに送ら れたやつじゃない?置きっぱなし にしちゃってたね」 「…………あたしに、じゃないも ん……」 「…………えっ?」 「ううん。なんでもない!!」 「まだ開けてないんだね。開けな いの?」 「…………開けるよ?もちろん!!」 あたしはわざと、 声高らかにそう言った。 …………高梨さんは悪くない。 悪くないのに…。 これを開けたくない…。 思わず手が震える…。 それを高梨さんが、 気づかないわけなくて…。