「零」 「ん? 何〜?」 「…………やっぱいいや」 「ふへぇ???」 「次はどこに行きたい?」 いつ、指輪を渡すか。 そう考え出したらきりがなくて、 しまいにはガラにもなく、 緊張してきた……。 「ん〜。今日はもうおしまいッ!! 歩き疲れちゃった!!」 「じゃあ、帰るか」 「うん♪」 ―――まぁ…いいか。 時間はまだまだあるし、 何も無理に今日渡すことは ないか。 焦ってもいいことなんてねぇし。 ―――零と手を繋いで歩きながら ふと、そう思った―…。