「…………では、こちらでお間違
いはありませんか?」
「はい」
「では少々お待ちください。他に
何かご購入になられますか?」
「これを」
「かしこまりました」
それからまた、
ガラスケースの
ネックレスに視線を移し、
見ていると零が戻ってきた。
「和貴」
「さっきのネックレス、店員さん
にもう渡しといたよ」
「………ありがとう」
そう言った零の笑顔で俺は。
皮肉にも気づいてしまった。
“ネックレスが欲しい”と零が
言ったのは、
指輪を欲しがっていることを
俺に悟られないための、
“ウソ”なのだと。
………まぁ…
ネックレス一つくらい、
どうってことないから、
別にいいけど。

