「零。何か欲しい物でもあった?」
零が食い入るようにベッタリと
見ているから、
“それ”が何なのか、
俺の位置から確認することは
出来なくて…。
そう聞くと零は慌てて
立ち上がり…。
「か、和貴ッ!!あれが欲しい!!」
と言って今の今まで見ていた、
ガラスケースとは
正反対の方向に飾ってある、
ネックレスを指差し、
グイッと力強く俺を引っ張った。
―――その姿はまるで、
今の今まで見ていたクセに、
どうでもいいとでも
言っている…
どこか矛盾しているように見え。
だけど。
それを見せないように零が必死に
隠したようにも見える。
……………?
だけどその謎は、
案外すぐにわかることとなった。