「おかえりっ!!和貴!!」 「ただいま、零」 零は俺を和貴って 呼べるようになって、 敬語もなくなって、 ちゃんと笑うようになった。 「ご飯にする?お風呂にする?」 「零がいい」 「………じゃあ、ご飯にしよ?」 “ご飯にする?お風呂にする?” ここ最近は毎日、 帰って来るとそう聞かれる。 そのとき俺はきまって、 “零”という。 …………だけど零は、 笑顔でそれをかわす。 …………天然か、策士か。 ………んなことわかんねぇけど、 とりあえずいつもこうなる。