「あの…」 どこの子供だかも知らないのに、 連れだしたのは迂闊だったな…。 と、今さらながらも、 後悔しかけたときだった。 「ん? 何だ?」 「ありがとう…ございます…」 小さかったけど子供は確かに、 そう言った。 「大丈夫だったか?ガラスでケガしてないか?」 「……………た…」 「え?」 「ケガ…した…」 小さな小さな… 蚊の鳴くような声だった。